重要! カセットテープの知識

(1)カセットテープの状態をよく見よう

録音可能時間は?

まず最初に、クライアントから預かったテープを、よく見てください。テープの録音時間は何分ですか?カセットテープの磁気テープは、往復60分と90分は同じ厚さですが、120分以上になると、とたんにテープの厚さが薄くなるのです。磁気テープが薄くなると、それだけテープの巻き込み事故の可能性が高くなります。それに加えて、テープ起こしではトランスクライバーを使うかどうかに関わらず頻繁にテープの巻き戻しを行いますので、テープの傷みも激しくなります。必ず90分以下のテープにダビングしなおしてから作業を行うようにしましょう。

クライアントの中には、経費節減やテープ反転の手間を省くために、120分や150分テープで録音してしまう方もありますが、このような薄いテープでは巻き込みや切断事故のもとになることなどを伝え、できれば次回からは録音時間の短いテープを使っていただければありがたいですね。

テープの巻き取り状態をチェック!

テープがきちんと巻き取られているか、チェックします。たるみがあれば、鉛筆などをテープの穴に入れて回し、きちんとたるみを取ってから再生機にかけます。テープの巻き取り部分の横面も、チェックしてください。あまりにもガタガタで乱れている場合は、相当何度も使われているテープである可能性もあります。120分以上の薄いテープや巻き取りむらの多いテープは、ダビングの際もそばを離れず、異常があったらすぐにスイッチを切れるように待機している必要があります。

(2)一度使ったテープを再利用しても大丈夫?

経費節減や資源節約のため、通常はどこのクライアントも1回だけでテープを捨ててしまうことは少なく、何回も重ねて録音して使っているケースがほとんどだろうと思います。通常の使い方では、10回程度までは使用可能と言われていますが、テープ起こしに使うテープは頻繁にテープを止めたり巻き戻したりしているため、磁気テープがかなり傷んでいます。そのため、再利用は2回ないし3回が限度であると言われています。

出張録音などで、こちらが出向いて現場で録音する際は、極力新品のテープを使うようにします。現場での録音失敗は、もう取り返しがつきません。

ダビング用として、既に使ったテープを再利用する場合は、必ず前の録音データを完全に消去してから使うようにします。前の音声が残っていると、録音が終了したあとに違う案件の音声が引き続いて再生されることになり、いろいろなトラブルのもとになります。

テープ起こしのため、頻繁にストップや巻き戻しをしたテープは、巻き取り部分の横面がガタガタになってムラが出ています。
その場合には、一度通常のスピードで再生し、きちんとテープを巻き直してから、改めて録音に入るようにします。きちんと巻き取られていないような、テープ起こし直後のテープは、絶対に録音には使用しないようにしましょう。

(3)オリジナルのテープをすぐに返却しなければならない場合は……

お客様からお預かりしたテープは、通常は納品まで手元においておく場合が多いと思いますが、中には受け取ってすぐにダビングし、オリジナルのテープはお客様に返却しなければならない場合もあります。これは、お客様がダビングテープを手元においておらず、オリジナルテープを私どもにお預けになる場合にみられるケースです。メール納品の場合などでは、せっかく早く納品されても、お客様の手元にテープが返送されるのが翌日になってしまうので、丸1日、お客様はデータのチェックができません。そのために、こちらでダビングをしたらすぐにテープを返却するように、指示がある場合があります。

このような場合は、オリジナルテープをお客様に返却してしまうので、こちらの手元にはダビングテープしか残らないことになりますので、巻き込み事故を防ぐためにも、必ず新品のテープを使うようにしたほうがいいでしょう。テープを反転する際や、テープ交換の際、その境目がとぎれることなくきちんとダビングされているかも、必ずチェックするようにします。

(4)ダビングしたテープを聞く?それともオリジナル?

お客様からお預かりしたオリジナルテープは、何回使い古されたものなのか、わかりません。もしも5回、10回と再利用されてきたようなテープであれば、磁気テープの傷みもかなり激しくなっていることが考えられます。そのため、極力ダビングしたほうのテープを再生機にかけて聴き取るようにします。

ただし、ダビングするとどうしても音質が多少落ちますので、どうしても聞き取れない箇所などがある場合は、その部分だけ、オリジナルのテープで聴き直す必要があります。その場合も、決して無理な巻き戻しや再生をしないように、フットスイッチの操作もゆっくりと慎重にし、事故のないように注意が必要です。