資料の確認

テープと資料が届いたら、まず何をしたらいいでしょう?
いきなりどんどん入力し始める? ちょっと待って!まずは内容物を確認してください。

テープは何本届いたか、資料はどんなものがあるか、仕様書はついているか。
お預かりした資料やテープは、そのままの状態で返却しなければなりません。絶対になくさないように、ほかのクライアントの資料と混ざらないように、まずは保管場所を確保します。

私は、100円ショップで、A4版の書類が入るようなバスケットをたくさん買い込んできました。クライアント別、用件別に、資料はどんどんここに入れて整理していきます。一つの仕事を切り上げるときは必ず資料をきちんとしまってから、あらためて次の仕事の資料を机に広げるようにしましょう。間違っても、違うクライアントの資料を返却してしまうようなことのないように、資料の扱いには充分に気をつかってください。

まずは、テープの本数確認です。全部違うテープなのか、メインとサブがそれぞれ送られているのか。資料にも目を通します。会議のレジュメ、出席者名簿、席上で配られた資料、関連書籍……文字入力と違って、テープ起こしで送られてくる資料は、場合によっては膨大なものになります。それらを最初から丹念に読んでいたのでは、とてもじゃないけど肝心の入力作業にかかることができません。

そこで、私がおすすめしたいのが<速読術>です。テープの入力にかかる前に、まず資料をページ単位でざっと見ていきます。1ページを2〜3秒ぐらいのスピードで、カメラのシャッターをきるように、ページを読むのではなく、映像として覚えてしまうのです。記憶しておきたいのは、見出しの文字、頻繁に出てくる単語です。正確に覚える必要はありません。ただ、記憶の片隅にとどめておくだけでも結構です。あとでテープを聞いているときに、「あ、この言葉は資料にあった!」ということを思い出して、資料をめくることができます。

著名人の講演や研究発表などの場合は、あらかじめ関連したホームページも調べておきます。「お気に入り」に登録して、すぐに見られるようにしておいたり、テープの内容と関係の深い事がらがあれば、あらかじめプリントアウトして目を通しておきます。

資料がどっさり送られてくると、「やったぁ〜、ラッキー!」と思わずニンマリしてしまいます。これを全部読まねばならないのはたしかに大変な作業ですが、逆に資料がないテープ起こしほど大変なものはないのです。資料が多ければ多いほど、テープを聞くまえに<予習>をすることができます。たとえにわか勉強でも、予備知識を蓄えてからのぞむのと、まったく生まれて初めての言葉にいきなりあたってくだけていって本当にくだけてしまうのとでは、原稿の仕上がりには歴然とした差が出ます。ですから、資料は多いほうがありがたいのです。

原稿と資料を確認したら、クライアントに必ず
「ただいま、テープと資料を受領いたしました」と報告を忘れないようにしましょう。大切なテープが迷子になっていないかどうか、クライアントは気をもんでいるものです。

お預かりした資料は、最後まで汚さずに、破損しないように、ていねいに扱うようにします。書き込んだり紛失するなどは、もってのほかです。

さあ、次はいよいよ入力…?いえいえ、まだその前にやることがあるんですよ……(つづく)